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今回の作品は、音楽自体が音楽を作った、
と言っていいでしょう。
あのひどい災害が災難であったように。
津波、そして自然と人類がもたらした結果がわたしの心をゆさぶりました、あらゆるレベルの恐怖とともに、わたしの身体と心の内と外までも。
本作「Time」は音楽が音楽を紡ぎました、
最もシンプルな形で。
あらゆるレベルの恐怖を感じた人々の感情を考えることの、手助けになる音あるいは音楽を見つけ出すのは困難でした。時間がやがて少し癒してくれるのかもしれません。
われわれはこの惑星の上では小さな存在です。
わたしたちは自分たちの回りを良く見なくてはなりません。
互いに、そして自然をリスペクトしなくては。
ホモサピエンスはまだ若い生物です。
地球が平和でありますように。
(サイモン・フィッシャー・ターナー)

このサイモンの音をはじめて聞いた時、何か新しいフェーズに入るチャイムのようだと思いました。先にあるのは、単に輝ける発展する未来ではないですが、美しい関係が始まる予兆のような感覚があります。3.11以降の、この大きな被害から立ち直るには、何か今までに無い考え方が必要です。
そして、まずは成熟した社会のあり方が問われているのではないでしょうか。
kizunaworldに参加したことで、なんらかの形で次なるフェーズへの移行に関わることができれば幸いです。
(高谷史郎)

Simon Fishre Turner / サイモン・フィッシャー・ターナー

わたしは生きていて、毎秒音を聞いている。「生きる音」を録音しさまざまな楽器を演奏する。コラボレーションするのが好きだ。これまでに地球上のさまざまな映像作家や映画監督そして音楽家と共に仕事をしてきた。
わたしは幸運だ。

Shiro Takatani / 高谷 史郎

1984年アーティストグループ「ダムタイプ」の創設メンバーとして活動に参加。以降、ダムタイプのパフォーマンスやインスタレーションの制作に携わり、総合的なヴィジュアル・ディレクションを手がける。個人の活動としては、坂本龍一や中谷芙二子等との共同制作インスタレーションや、パフォーマンス(「明るい部屋(2008)」「CHROMA(2012)」)を国内外で制作・発表。
また、気候変動をテーマとする北極圏遠征プロジェクト「Cape Farewell」(イギリス)に参加など、その活動は多岐に渡る。

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