About "quiet night in Fukushima"
震災後はじめて福島に帰った日の夜は、本当に静かで、美しい月がでていて。
でも僕らはもう元の世界には戻れない・・・放射能が降り積もる中そんなことをはっきりと自覚した夜でもありました。
坂本さんがDIY FUKUSHIMA!のために作ってくれた作品「静かな夜」を聴いたときにあの日の夜のあの気持ちを思い出しました。
わたしはここに今の気持ちをぶつけたくなりました。
あれから3ヶ月、福島の夜は相変わらず静かで美しいままです。(Otomo Yoshihide / 大友良英)
Otomo Yoshihide / 大友良英
1959年横浜生れ。十代を福島市で過ごす。
常に同時進行かつインディペンデントに多種多様な作品をつくり続け、活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は60作品を超える。近年は「アンサンブルズ」の名のもとさまざまな人たちとのコラボレーションを軸に展示する音楽作品や特殊形態の
コンサートを手がけると同時に、障害のある子どもたちとの音楽ワークショップや一般参加型のプロジェクトにも力をいれている。現在は原発事故の放射線による被害を受けつづける福島と東京を行き来し、プロジェクト「FUKUSHIMA ! 」 を立ち上げ奔走中。
著書に『MUSICS』(岩波書店)、『大友良英のJAMJAM日記』(河出書房)、『ENSEMBLES』(月曜社)等がある。