kizuna_作品詳細[E]_03.jpg

About "unbroken music-box"

この作品は、自宅で弾いたピアノの即興をベースに、作品にあるほぼ全ての電子音はこの即興の録音が元の素材になっています。この作品を作るにあたって、僕は津波に流された建物や家の破片が残る中、持ち主がいなくなったオルゴールが独り奏でる、そこに温かい太陽の光が「希望」の象徴として差している……をイメージしました。

Dai Fujikura / 藤倉大

1977年大阪生まれ。15歳で単身英国に渡る。世界を代表するアンサンブルやオーケストラから多数の委嘱を受けている。近年ではルツェルン音楽祭の委嘱による、オーケストラのための《Stream State》(2005)が、ピエール・ブーレーズの指揮で初演され、その後わずか1年の間に、スイス、ドイツ、オーストリア、イタリア、日本で7回演奏された。2006年《Crushing Twister》でBBCプロムスにデビュー。同年、シカゴ交響楽団の“Music Now”シリーズでも彼の作品が取り上げられた。2007~09年にはフランスで3つの委嘱を受け、フランス放送管弦楽団とIRCAMのために《Swarming Essence》、ヴィオラとエレクトロニクス(IRCAMで制作)のために《prism spectra》、Lore Lixenbergの歌とアンサンブル・アンテルコンタンポランのために《・・・as I am・・・》が作曲された。2009年フィルハーモニア管弦楽団と名古屋フィルハーモニー交響楽団の共同委嘱で、ピアノ協奏曲「AMPERE」が、小川典子によって初演。2010年にはウィグモア・ホール、エジンバラ音楽祭、石橋メモリアルホールの国際共同委嘱による、アルディッティ弦楽四重奏団のための《flare》、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラのための《Tocar y Luchar》がグスターボ・ドゥダメルの指揮でカラカスとヴェネズエラで世界初演。今後は、パスカル・ガロワのためのファゴット協奏曲、ミュンヘン室内管弦楽団のための新作、藤倉にとって初めてのオペラ(演出:勅使川原三郎)、デヴィッド・シルヴィアンとのコラボレーションが予定されているほか、NMCレーベルとサマディ・サウンド・レーベルで、「作品集」の CDの発売も計画されている。

gr_prev.gif

gr_next.gif